体に鍼や灸を用いた刺激を与えることによって、様々な疾病を治療したり健康を増進したりする医療技術です。中国・漢の時代に考案され、その後、近世まで東アジアにおいて主要な医療行為として発展してきたため、体の表面への物理刺激による治療的経験則の集積とも言えます。中国の古代医学書に書かれている経穴（ツボ）や経絡（ツボの通り道）に鍼または灸の刺激を与えることで、体に流れるエネルギー（気）を調整します。

現在はステンレス製や銀製で、直径わずか0.12～0.24mmの非常に細い鍼が使用されています。これは神経終末と同じくらい細いため、刺す時に痛みを感ずることはありません。中には太い鍼を使って強い刺激を与える方法もありますが、当院ではそういった痛みを伴うような施術は行っていません。また、鍼を刺す時には皮膚をアルコール消毒し、鍼はすべて使い捨てにするなど、衛生管理も徹底しています。

一方、お灸の場合はピンポイントで刺激を与えるというよりも、やや広い範囲をじんわりと刺激することができます。また、燃焼による熱刺激があるため、冷えには特に効果的です。

どちらも効果は人によって差がありますが、1〜2回で効果が現れることもあります。ただし、慢性的な症状については、週1回の通院で2ヶ月程度の治療期間が必要となります。